マンション管理士資格を持つことで得られるメリット・魅力をまとめてみた
マンション管理士は、合格率が7〜9%前後という難易度の高い国家資格です。
それでもなお、全国で毎年2万人近くの人がマンション管理士試験を受けに行っている状況が続いています。
そんなマンション管理士の資格ですが、取得することによって一体どんなメリットや魅力があるのでしょうか。
いくつかご紹介していきたいと思いますので、一緒に見ていきましょう。
マンション管理の知識は実生活にも役立つ!
マンション管理士の資格は、仕事以外の実生活でも役立ちます。
既にマンションをお持ちの方ならば、役員の順番が回ってきた際、管理会社の都合に惑わされずに自信を持って、健全な運営を行えます。
また、これからマンションを購入する方の場合、マンション管理士の知識を持っていれば、マンション購入を検討する際にも「このマンションはどういう管理状態なのか??」という、最も重視すべき目線で選ぶことができます。
そしてそれは、購入後のリスクを軽減することに繋がります。
- マンション購入のしばらく後に、手抜き工事であることが発覚したが、修繕積立金では足りないために数百万円もの請求に追われた。
- 好立地でお買い得に思えた中古物件を購入後、様々なところが老朽化の影響で次々と破損したため、そのたびに多額の修繕費を支払うこととなった。
- マンション購入時には、不動産デベロッパーから「隣接に建物は建つ予定はない」と言われたのに、住み始めて間もなくタワーマンションが建設された。
これらは、マンション購入後に実際に起こりうる失敗の例です。
マンション管理士の資格取得で得る知識によって、このような失敗を未然に防ぐことができるでしょう。
マンション管理士は将来性に優れている!
マンション管理士は、国家資格の中でも比較的新しい資格であり、極めて将来性が期待されている資格です。そう言える根拠として、主に3つの理由があげられます。
マンションの数は年々増えている
日本は国土が狭く、限られた土地で生活するために、マンションは欠かせないものとなっています。
現在、国民の約10人に1人がマンションの居住者であり、今後も駅周辺の再開発によって都市部のマンション建設は益々増えていくことでしょう。
マンションは、その戸数に関係なく必ず管理組合を設けて運営する必要があるため、マンションの数が増える分だけ管理組合の数も増えることになります。
そして、その管理組合が適切に運営を行えるように手助けをすることが、マンション管理士の仕事です。
こういう事情から、「資格は取ったが、仕事がない」という状態になるのは、遥か先のことであると考えられます。
老朽化マンションの増加
前述したとおり、マンションの建設は今後も活発化していきます。
それはつまり、老朽化マンションも増えていくということです。
国土交通省の調査によると、築30年を超える老朽化マンションの数は2013年時点で129万戸と、全国のマンションストック戸数の約2割程度です。
しかし、20年後には447万戸と大幅に増加し、それに伴ってマンション管理士の需要も増えると予想されます。
マンション管理士の活躍の基盤が整いつつある
国土交通省により、国庫補助事業としてマンション管理士派遣のモデル事業が創設されました。
これは、既存マンションの適切な維持管理を促進するために、マンション管理士を管理組合に派遣するなどし、マンション管理に対してのアドバイスを行う事業です。他にも、自治体にマンション管理の窓口が設置されるといった動きもあります。
これまで、マンション管理士は、他の士業に比べるとまだまだ認知度が低い傾向にありました。ですが、最近では耐震偽装問題などが話題になったこともあって、管理に対しての意識が変わり、今まで軽視されていた問題が見直されつつあります。
こうした理由から、より一層マンション管理士の必要性が増し、今後さらに活躍の場は広がっていくことでしょう。
自分で収入をコントロールできる!
独立開業したマンション管理士の主な収益源は、管理組合との顧問契約料であり、いくつの顧問先を持てるかで収入が左右されます。
顧問料は1件あたり大体10万〜30万円程度の場合が多く、戸数によってはもっと高くなることもあります。
またその他にも、エレベーター管理業務の検査で1件あたり10万円前後、建物や設備の劣化調査は1時間あたり5000円などの、個別コンサルティング料の収入もあります。
なので、ガッツリと稼ぎたい場合は顧問先の数を増やし、家事や育児で忙しい場合にはセーブするなど、自身のライフスタイルに合わせてコントロールすることができます。
もちろん、顧問先を増やす場合には、マンション管理士の交流会での情報交換や、管理組合への営業といった積極的な努力が必要となります。
なお、マンション管理士資格にプラスで、他の資格を取得することもおすすめです。
- 宅地建物取引士
- ファイナンシャルプランナー
- 福祉住環境コーディネーター
- 行政書士
- 建築士
他の資格と組み合わせることで差別化を図れ、活躍の場を増やすことができるでしょう。
まとめ
国家資格の取得を志す際、だいたいの受験者はその後の仕事に活かすために、20代〜30代という比較的若い年齢での合格を目指します。
ところがマンション管理士試験は、受験者の半分近くが50歳以上となっています。
これは、仕事のために資格を取得しようとする人だけでなく、マンションという「資産」を守ろうとする人が増えていることを現しています。
マンション管理士は、専門性が高く難しい資格ですが、その分、公私共に活かすことができるので、頑張って取得する価値のある資格だといえます。